定められた疾患に対し、特定の薬剤について血中濃度を測定し、TDMを実施した場合、保険請求することが
できます。
医科診療報酬点数表より
1)「特定薬剤治療管理料は、投与薬剤の血中濃度を測定し、その結果をもとに投与量を精密
に管理した場合、同一暦月につき1回限り算定する。」
2)「薬剤の血中濃度、治療計画の要点を診療録に記載する」
血中濃度を測定のみでは、特定薬剤管理料の査定の対象にならず、測定結果をもとに、精密に管理するこ
とが必要となります。これには、TDMの手法(解析)は大きな手段となります。また、測定結果のみならず、治
療計画の要点つまり解析結果や薬剤部からのコメント等を診療録に、記載することも必要となります。以下、
対象となっている薬剤と管理料を記載します。
特定薬剤治療管理料
薬剤名 |
検査項目 |
特定薬剤治療管理料 |
加算点 |
備考 |
1~3ヶ月 |
4ヶ月以降 |
抗てんかん剤
(てんかん患者) |
フェノバルビタール
プリミドン
フェニトイン
カルバマゼピン
バルプロ酸ナトリウム
エトスクシミド
トリメタジオン
クロナゼパム
ニトラゼパム
ジアゼパム
ゾニサミド
クロバザム など |
(単一薬剤)
470点 |
(単一薬剤)
470点 |
280点
(薬剤の投与を行った初回月に限る) |
てんかん患者であって、複数の種類の抗てんかん剤を投与している者について、同一暦月に血中の複数の抗てんかん剤の濃度を測定し、その測定結果に基づいて個々の投与量を精密に管理した場合には、当該月においては、2回に限り所定点数を算定できる。 |
(複数薬剤)
940点 |
(複数薬剤)
940点 |
ジギタリス製剤
(心疾患) |
ジゴキシン
メチルジゴキシン
ラナトシドC
デスラノシド
ジギトキシン |
470点 |
235点 |
ジギタリス製剤の急速飽和を行った場合、またはてんかん重積状態の患者に対して抗てんかん剤の注射等を行った場合、所定点数にかかわらず1回に限り740点を算定する。 |
アミノ配糖体抗生物質
(入院患者) |
ゲンタマシシン
ネチルマイシン
トブラマイシン
アミカシン
アルベカシン |
|
グリコペプチド系抗生物質
(入院患者) |
バンコマイシン
テイコプラニン |
テオフィリン製剤
(気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫または未熟児無呼吸発作) |
テオフィリン |
不整脈用剤
(不整脈) |
キニジン
リドカイン
プロカインアミド
N-アセチルプロカインアミド
ジソピラミド
アミオダロン
ピルメノール
アプリンジン
塩酸ピルジカイニド
プロパフェノン
メキシレチン
フレカイニド
コハク酸シベンゾリン |
ハロペリドール製剤
(総合失調症) |
ハロペリドール |
ブロムペリドール製剤
(総合失調症) |
ブロムペリドール |
リチウム製剤
(躁うつ病) |
炭酸リチウム |
免疫抑制剤
(臓器移植後) |
シクロスポリン
タクロリムス |
470点 |
2740点
(臓器移植を行った日の属する月を含め、3月に限り加算) |
バルプロ酸ナトリウム
(躁うつ病または躁病) |
バルプロ酸 |
280点
(薬剤の投与を行った初回月に限る) |
カルバマゼピン
(躁うつ病または躁病) |
カルバマゼピン |
免疫抑制剤
(再生不良性貧血、尋常性乾癬、ベーチェット症候群、赤芽球癆、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、ネフローゼ症候群) |
シクロスポリン |
タクロリムス
(全身型重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎) |
タクロリムス |
サリチル酸系製剤
(若年性関節リウマチ、リウマチ熱、慢性関節リウマチ) |
サリチル酸 |
235点 |
メトトレキサート
(悪性腫瘍) |
メトトレキサート |
特定薬剤治療管理料は、投与薬剤の血中濃度を測定し、その測定結果をもとに投与量を精密に管理した場合、同一暦月に1回限り算定する。(平成21年)
県立丸亀病院 川見