一般的な服用量で同じ量の薬を服用しても、血中濃度は人によってバラバラです。
同じ量の薬を服用しても得られる薬物血中濃度は5倍もちがいがあるると言われています。薬によっては30倍もちがいがあるものもあります。(効果は薬物血液中濃度で参照)
同じ量を服用しても人によって血中濃度はちがう
(喘息治療中、テオフィリンを服用している26人の血中濃度)
(アボットジャパンホームページより)
ざっくり言うと、TDMの必要性は、 お薬の血中濃度から、薬の有効性の発現・維持や副作用発現との関連性がわかるということですね。保険適応になっている薬剤は、一般的な服用量でも副作用が比較的現われやすい薬が多いと思います。
でも、1回だけ血液濃度を測っても時間の経過とともに描く血中濃度推移グラフは書けません。だからといって、何度も血液サンプルを採取すると血中濃度推移グラフは書けるでしょうが、患者さんに何度も針を刺さないといけませんし、お金と時間がかかりますので、特に外来患者さんなどでは現実には無理ですね。だから、1回だけの採血でグラフの書けるTDM解析ソフトが必要なのです。
発展的には、例えば抗生物質なんかは、TDMによって、お薬がどれくらいの濃度で病巣にあるか?がわかると微生物のMICから効果のある投与量が確実にわかる気がします。
また、抗癌剤なんかはどうでしょう・・・夢でしょうか。